天才腐女子の妄想大爆発…というのが
私的なこの作品の印象。
特にキャシーがヒースクリフに妹を紹介する場面とか
読んでてブヒりします。
キャサリンの娘がキャサリンだとか、
ヘアトンとリントンが同居だとか
構成上致し方ないものの
登場人物の名前や血縁関係が複雑なのが玉に瑕で、
読み止しでしばらく置いておくと確実に
「ヘアトン?…リントン?……えー……誰?」
となります。(僕だけか)

ヒースクリフ。

女流作家の被造物とは思えぬほど
一貫して傍若無人で怜悧狡猾な
人格を体現し続ける人物ですが、
終盤、両家の世代が完全に入れ替わった
辺りからそれまでの人格に抗う
本来の彼の姿が現れ、
そのアンビバレンスな感情に抗い、
やがて死期に際して受け入れていく…
という一連の姿は、
何とも深遠で美しいですね。

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以前、世界的に有名なバラ育種家である
デイビットオースチン氏が国内に唯一作った
広大なバラ園に行ったとき
「ヒースクリフ」という品種を見つけ(写真右)
育種家もすごい人物を名前にするなぁ
と率直に感じたのですが、
今考えれば何となく合点がいく次第。
キャサリン親子。

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気位が高い上に理想主義が色濃く、
スタンダールの代表作
「赤と黒」に登場する
マチルドを連想させます。
特に印象深かったのは、
死に際、ヒースクリフに言った
呪いの言葉に代表されるように
母キャサリンは、終始作者の鋭い
死生観を体現しているのに対し、
娘キャサリンは、非道な行いをする
ヒースクリフに対する抵抗を、
作者の持つ数多の倫理、道徳観を
駆使して体現しているところです。
映画版

「嵐が丘」もこの際なので拝見。
坂本龍一氏のシンボリックなテーマソング
が独特の雰囲気を醸し出す作品で、
ヒースクリフ役のレイフ・ファインズの
怪演がとにかく印象に残ります。
スゴい迫力。てか怖い!
あんなんと屋敷で同居とかホント勘弁。
よって観終わったとき全体印象は彼の
演技が司っていると言っても
過言ではありません。
物語はイザベラとの生活等を割愛し、
原作全てを描写することはせず、
映画というキャパを理解し、必要な
骨組みを効率よく構成しています。
そのためバタバタした印象無く
見れる秀逸な作品です。
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