2012年04月08日

大局観  羽生善治

小学生時代からなんとなく将棋に親しんでいたことを以前盤と駒の記事で紹介させて頂いたことがありましたが、
羽生先生の仰る『対局観』という語には数年ほど前から非常に関心を持っていました。

大局観

そもそも性別や年代によって人のライフスタイルというのは多種多様なのは火を見るよりも明らかですが、
取り分け自分に関して言うなら、日々生活していく中で無意識の内に「自分の可能性を片端から調査していく」
という漠然とした若さ故の愚行を紛いなりにも行ってきたような次第で、、結果として大半が失敗するが、非常に希ではありますが、
これは一定の成果であると自分で納得できる結果を生むこともあったりします。
このような相当数の無駄弾を撃って、僅かに当たった数発の中に自分の処世術めいたものを感じているような自分は、

三十代、四十代の多くの方々が時偶仰っている、


歳を追う事に良くも悪くも自分自身の器の直径を
把握できるようになってゆき、次第に無計画、無鉄砲な策を講じれなくなる。
結果として保守的にならざる負えない


といった趣旨のアドヴァイスを伺うたびに一抹の不安が脳裏を過ぎっていました。

産まれてこのかた二十五年間、散々無駄玉を撃って僅かに数発当たった(掠ったの間違いか)だけでしかない自分が、
今後その無駄玉すら撃てなくなるのでは何とも恐々とする話で、もし今後、前記の予言めいた言葉が僕自身にも当てはまり、
弾数に制限が発生してしまうなら、、、どうすればよいだろう?
と考えたとき、漠然と限られた弾数で確実に命中させるため、精度を上げていくしかないのかな、などと蒙昧なりに考えを巡らせていたわけです。

が、実際に精度を上げるために必要な訓練とは一体何を指すのか、という問題については
皆目検討が付かず、参考の一つとして白羽の矢を立てていたのが、
「木を見て森を見ず」という諺の対極にあるとされ無尽蔵にある情報と選択肢を、
経験に裏打ちされた感性でコントロールして正しい方向に効率よく進んでいく、、というこの対局観という考え方なワケでした。


読後、本書がそういった観点から僕にとって参考になったか成らなかったか、、という話でいえば、
著者の羽生さんを筆頭とするプロ棋士の先生方が日々心技体を駆使し鎬を削る極限の戦いを
しているのだ、、という事実をより臨場感を伴って理解できたことは誠に有意義でしたが、
余りに次元が高すぎて、矮小な自分にも参考になる部分は、
素晴らしいことが数多く記されているという本書の些かも揺るがない事実とは裏腹に、かなり少なかったように思います(泣)

己の理想と真摯に向き合っていることを自他共に認められる人が、
それでも精神的苦境に立たされる、、といったような状況では大きな機能を発揮するように思われますが、
そんな高尚な人間でもない自分は、社会的地位や境遇などに関係なく、一人の人間として、
戦っているフィールドが色々違いすぎるといった印象を感じた事が大きいと思います。

例えばある家族がクルマに乗って他県の遊園地に向う道中、道に迷ってしまった父親が、本来読むべき目的地までの道路地図やナビを参照しないで
目的地である遊園地のパンフレットをひたすら耽読し嬉々としているような状況と言えるかもしれません

背伸びをするとそのまま背が伸びるわけではない、、というような話をとあるゲームのテキストで読んだことがありますが、
自分自身は、百回くらい背伸びすれば、因果応報ではないがそれに起因して一度くらいは
大なり小なり上背が伸びるの事もあるんじゃないの、なんて楽観している節もあったりしますが、
本書を読んで背が些かでも伸びたとするなら、それは本当にかくあれがしだなと思った次第で、
羽生さんのポリシーに少しでもシンパシーを抱くことができる日が来るなら、その時の僕は自分自身に対し今とは比較にならない程、
全幅の信頼を寄せることができているような気がする。

漠然としたような話ですがそのように感じました。

しかしそれでも有益だなと思える情報は沢山あり、p31を筆頭に『見通しが立たない状況でもがくことは大切』という話は、
手取り足取り教授された技術はいざという時自分に良い結果をもたらしてくれたことがなく、
逆に七転八倒するかの如く苦しみながら体得した技術は重要なとき役に立った、という自分の経験則を裏付けてくれる一節でありましたし、
都市部出身者がプロ棋士になる上で有利とされがちだった将棋界が、インターネットの普及により情報格差の是正が起こり、
大きな影響とそれに伴う変化を与えているという見解を、実際にネットインフラを活用し、
地方から倉敷藤花の永世称号を得た里見香奈さんを例に挙げ冷静に分析しておられるのも興味深い点です。

「持ち駒多くして勝機を得ず」という有名な格言を物欲主義的な現代人の生活に当て嵌め、
自身のライフスタイルの提案をなさっていたりと様々な分野に対して読者が応用できるようにと
様々な工夫と配慮を凝らしている点も、見識の広さと共に感銘を受けました。

羽生先生が尊敬に値する人だ、というのは僕なんかが言うまでもなく当たり前の話ですが、改めて七冠をはじめとする偉業だけではなく、
特化した人間的魅力も兼ね備えるカリスマなのだなと感じました。


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posted by makomako972 at 01:17| 読書 | 更新情報をチェックする


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