2011年02月05日

夏への扉  Robert Anson Heinlein

今回は僕が世界中で最も大切にしている小説のひとつであり、
また世界中で今尚、愛読者が数多いる傑作SFでもあるロバートハインラインの「夏への扉」の話でも書きたいと思います。

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完全な大団円。最高のハッピーエンド。



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僕自身が過去に読んだ世界的なSF小説、ダニエルキイスの
「アルジャーノンに花束を」、フィリップkディックの
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」トム・ゴドウィンの「冷たい方程式」、
或はアーサーCクラークの「幼年期の終わり」、
これらの小説はSFの世界観を通じて哲学的な要素が内包されているため、
その結末は、多少の印象の違いがあれど
一概には完全なハッピーエンドとは申せないような内容でした。
例えば各々の作品が提示した哲学的な
要素は以下のようなものが挙げられるかと思います。

「アルジャーノンに花束を」      
人の一生の縮図として作中描かれるチャーリィの生活を通じて、
知性とは、優しさとは何かを説く。

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」 
アンドロイドと人間の差異を「感情移入」という精神を通じて線引きし、人とは何かを説く。

「冷たい方程式」
少女の命を通じ、功利主義と義務論の優先順位を問い掛ける倫理学の思考実験。

「幼年期の終わり」

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オーヴァーロードという絶対的な存在を通じて平和の渇望と、非暴力を説く。



しかしこの「夏への扉」は、哲学的、文学的な要素は多少含んでいるものの、
上記に挙げさせていただいた作品群と比較して
全体的にエンタメ色が強いため、難解な考察を要する描写が少なく、
軽快に読み進めることができるよう、文章が技巧的に調整されています。

自立思考型の機械や、タイムリープといったこの手のジャンルの小説では
懐疑的に描写されがちな存在も、実にユートピア的に描かれており、科学に、
そして人類の未来に希望を持つことができる一助たり得る稀有な作品であります。

確かに科学の発展は人類に対し、全て好意的に働いてくれるわけではない
ことは熟知していなければならない事なのかもしれません。
しかしそれでも尚、理想とすべき科学との共存社会を才能豊かに描き、
読者たる我々大衆に希望を与えることができるのも
SF作家の方々に付与された重要な特権の一つであるとも私的には考えていますので、
そういった意味に於いては非常に意義ある作品です。





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近頃は犬が好きな人が多い気がします。
少なくとも僕の周りの人たちに統計を取ると結k…(以下略)
物心がついたとき、もっと正確に言うなら僕が産まれ、
初めて自宅にやってきたとき猫は既に居ました。
それから入れ替わり立ち替わり、
捨て猫の憂き目に晒された猫を拾ってきては飼育し、
彼等は天寿を全うしていきましたが、
決まって次の猫が毎度現れ、今も数匹の猫と同居しています。
彼等は人語を学習し、人の大凡の真意を理解しているにも関わらず、
(僕自身はそう思っている…という程度ですが)
まるで知らぬが仏と言わんばかりに自分たちにとって都合の良い言葉は
実に素直に聞くが、それ以外の言葉には全く蒙昧のふりをして
巧みに自分たちの都合の良い生き方をしている。
しかしそこが筆頭すべき彼等のチャームポイントなんだと日々感じている次第で、
勝手に生きているから、こちらも要らぬ気遣いをせずともいい。
愛想を振りまかれては、構わぬわけにいかぬといった仏心が、
柄にもなく芽生えたりするので、僕の場合、無愛想な方が良いんですね。
言葉を、そしてお互い過度に信頼し合う必要がない、
僕にとって唯一心労を伴わない友人であるといえます。(根暗みたいな言い分ですね笑)

さて、以上の嗜好を持つ僕がこの傑作を読み終わった瞬間、
歓喜のあまり叫ぶのを堪えるのに集中するあまり、

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大きな音を立ててこの本を床に落としてしまったのは寧ろ当然の事で、
これほどのマスターピースを今までの人生で知らずに
過ごしてきた自分の作品眼の無さに今更ながら
大いに自嘲したい心持ちになったわけです(笑)
最近、改めてこの物語を読み直してみたのですが、
新たに一つの感想と、一つの出来事が起きました。
まず一つの感想とは、初読の際、
よく叫ばなかったなと自分の抑制心に感心したこと。
そして一つの出来事とは、今回は歓喜のあまり叫んだということです(笑)

末尾解説によると、ハインラインはこの傑作を
たったの十三日間で書き上げたと過去のインタビューで
豪語したそうですが、その話が事実なら恐らく
その一三日間の彼は人をある種超越した鬼才であったのだろうと思うばかりです。
計算された時間移動トリックもさることながら、
私的に最も素晴らしいと感じたのは登場人物の人間性が実に豊かなことで、
これだけ科学技術が発展した世界のSF小説であるにも関わらず、
その人間たちが徹底して物語進行の主導権を握っている点です。

因みに写真右はウチで飼っているネコたち。


SF小説で経営哲学。



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一見して敵であるようなポジションを取りつつ、
決して全面的な敵意のみでダンの研究を弊害しているとは言えず、
同じようにベルの策略に嵌っている点に於いては、ダンと運命を共有する
同じ被害者であると認識できるかもしれない重要人物の一人、マイルズは
大企業の経営面で采配を振るいたいとする願望を持っており、
これがダンのR&Dに特化した自身の理想的な企業体制を傾城する一翼を担うため、
結果として敵のポジションを演じることとなりますが、
「徹底的に研究開発を行いたい」とする希望と
「将来のため、企業をより拡大しなければならない」とする双方の意見は
一概にどちら正邪かということは判別しずらい部分がある気がします。
何となくそれでも前者に理があるとされるのは
「お金=汚いもの」的な一種普遍的な価値観を初めとする潜在的な要素が
複雑に交錯しているといった印象を受け、
或いは経営陣の理想的な企業規模と、
開発セクションの希望する規模に多少の齟齬があるのも何となく理解できますが、
経営学者、P.ドラッカーが著したマネジメントにも

「市場に於いて目指すべき地位は、最大ではなく最適である。」

と語っていることからもデリケートでセンシティブな問題なのでしょう。




時間が生み出したベルの美醜。




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さて、傾城という意味に置いては
絶世の美女であるベルはこの言葉に当を得た存在ですね。
野心家であり策略家である彼女の振る舞い、言動や振る舞いは作中において
最も辛辣な部分で、フィッツジェラルドの名作「グレートギャツビー」に
登場するデイジーや、トルーマンカポーティの「ティファニーで朝食を」に
登場するホリーにしてもそうですが、
米作家が描くアメリカ生娘というのは全く容赦がありません。
ズケズケとモノを言い、そのくせこちらには弁解の余地を微塵も与えてくれません

ですが、そんな容赦のないベルの言動よりももっと容赦がなく
辛辣な出来事は、ダンが2000年にコールドスリープから目覚めたとき
再会した彼女の変わり果てた姿でしょうか。
以前の魅力的な容姿は見る影もなく、
年老いてそれら全てを失っても相変わらず気性の醜さだけは健在で、
復讐心すらすっかり失せ、ほとほと困ってしまうダンの気持ちもわかる気がします。
あの再会シーンは彼女の無力さを哀愁たっぷりに
余すとこなく描いているので印象深かったです。

時代が人の姿や生活スタイルを大きく変化させるというのが
本作では重要な点の一つとして挙げることができますが
この作中最も時代が進んだシーンですら2001年です。
恐らくハインラインが思い描いた2001年には無かった素晴らしい発明も、
今日の世では沢山スタンダードになっているでしょうが、
彼が作中で思い描いた2001年に登場する科学の進歩も面白く、
冷凍睡眠は言うまでもなく、風邪が全く無くなり鼻を垂らす者が
居なくなった世の中…というのは中々想像しづらい情景ですが、
人間は医療技術の進歩で125年は生きられるようになったというのも
何とも羨ましい話ですね。長生き願望がある自分としては、
2012年になった現在も未だそのような技術が無いのが惜しまれるところです。


因みに本編とは関係が無いですが、この「夏への扉」というタイトルは本当に秀逸です。
この傑作をアマゾンで知った時はカスタマーレビューの投稿数の多さと星の多さに驚くと共に
この「夏への扉」というタイトルに、巧く言い表せないほどの魅力を感じました。
唯唯、なんてロマンチックなタイトルだろう!と関心するばかりでしたが、
そこにこのハヤカワ書房が数十年前から得意とする表紙の挿絵。
私的にこの表紙も本当にロマンチックで魅力的です。

何はともあれ、文章のクオリティ、シナリオのクオリティからタイトルの秀逸さ、
見事な表紙の挿絵、、、本当に素晴らしい本です。



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posted by makomako972 at 04:17| 読書 | 更新情報をチェックする


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