2013年07月30日

新ハムレット  太宰治

JOG ZRの自賠責が惜しまれつつ切れてしまったので、少々面倒だけどバイク屋さんに行って更新しようと思っていたら…
どうやらネットで簡単に更新できるという耳寄りな情報をキャッチし早速活用してみると…約三分のハイスピードで手続き終了(笑)
後日送られてきたシールをナンバープレートに貼り付け、これでまた数年原付を足として活用できます。

さて、今回読んだのは太宰治の「新ハムレット」です。
当ブログの記事的に言うなら以前書いた「シェイクスピア ハムレット」の続きのような趣となります。
僕自身、太宰氏の作品で最も気に入っているのは日本古来のフォークロアを鋳造し直した短編集「御伽草子」なのですが、
今回読んだ「新ハムレット」も、シェイクスピアの戯曲を再編したという意味に於いては
それと同一視できるタイプの作品なのかと思っていましたが実際に読んでみるとかなり相違があります。

新ハムレット


まず最も大きな違いとして感じたのが、御伽草子は全編通して喜劇的に書かれているのに対して、
新ハムレットは徹底して自然主義的な趣で書かれている点でしょうか。人間心理の生々しさや禍々しさを一切の妥協無く描ききっていて
代表作「人間失格」に登場するヒラメや堀木といった悪者よりも度し難い人間たちが数多く登場し、色々と理屈を捏ねております。
そういった意味では僕自身、今まで読んだ太宰作品の中で最も太宰文学らしいデカダンスを感じた一作でしたでしょうか。


原典と本作の比較。



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本作の原典においても王子ハムレットは
色々と理屈を捏ねて周りの人間を困惑させるキャラクターとして描かれていますが、、
そこは戯曲ですので一人一人の台詞は手短に処理されていきますが、
この太宰版は一応戯曲の形式で描かれているものの、
原稿用紙四枚分を超えようかという長い台詞が数多く配置されていて、
その分、非常にアクが強い内容だとは感じました。
特に終盤、城の大広間でハムレットとオフィリアが
舌戦を繰り広げる場面のあの詮無い論議を聞いていると、
物語序盤でフランスに出立するレヤチーズに、

「あまりしつこく口論を吹っかけられた場合には、
屹っとなって相手の顔を見つめ、やがて静かに、君も淋しい男だね、
とこう言え。いかな論客でも、ぐにゃぐにゃになる。
けれども、なるべくならば笑って柳に風と受け流すが上策。」


と言っていたポローニヤスの台詞が身に染みてよく解ります(笑)
(この時、同時に言っていた“カンニングをしてもOKだが落第はするな…”
という言い分も一種のアカデミズム批判のようで面白いですね。
シーモア序章辺りのサリンジャー作品のような印象を受けました。)



太宰文学と独特のユーモア。



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そう言えば序盤、
オフィリアとレヤチーズが会話を交わすシーンで

レヤ 「あんまり居眠りばかりしてないで、たまにはフランスの兄さんに、音信しろよ。」
オフ 「すまいとばし思うて?」
レヤ 「なんだい、それあ。へんな言葉だ。いやになるね。」
オフ 「だって堀内さまが、――」
レヤ 「ああ、そうか。堀内さんも、東洋一の大学者だが、少し言葉に懲り過ぎる。
    すまいとばし思うて? とは、ひどいなあ。
    媚びてるよ。いやいや、堀内さんのせいだけじゃない。
    お前自身、このごろ少しいやらしくなっているのだ。気をつけなさい」


これにはちょっと笑いました。
御伽草子でも、浦島太郎が乗る亀は赤耳亀が良いだの悪いだのと
色々考察をしている場面が出てきて、ゲラゲラ笑いながら読んでいましたが、
やはり氏にはユーモアのエッセンスが込められているのが面白いです。




その他の短編で面白かったのはやはり掌編小説の形式であると言ってもいいたった三ページの非常に短い作品「待つ」でしょうか。
兎に角作品自体に奥行きがあり、容易には実態を見通すことができない、いわゆる怪作です。
結局その奥行きの先にある実態とは主人公の女性が毎日駅で一体何を待っているのか…という疑問と同一視できる気がしますが、
何れにしても出会いの挨拶、些細な美辞麗句の中に人間のインチキさのようなものを繊細に感じ取ってしまい、
人間不信に陥る心理構造は「人間失格」の主人公、大庭葉蔵に趣が似ています。



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posted by makomako972 at 05:40| 読書 | 更新情報をチェックする


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