2012年02月01日

「遺書」  松本人志

松本人志さんは何といっても大好きなタレントの一人です。
恐らく余程のことがない限り、誰が何と言おうと今後もファンであり続けると思います。
誰もが知っているような有名番組に出演する彼が面白くて好き。というのも当然ありますが、
私的に松本さんへの関心が高くなったのは以前放送されていたTOKYO FMのラジオ「放送室」でしょうか。
すべての放送回を(特に面白い回は数回)聞き、放送中に彼が語る様々な事柄に対する
考え方に深い感銘を受けた(一部例外はありますが…笑)ことが最も大きいかと思います。

今回はそんな松本さんが週刊朝日に連載していたエッセイを94年に単行本化し250万部の大ベストセラーになった著書「遺書」の話でもします。

遺書

芸人の強みを活かしたコロキアル。


堕落論

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作中、幾度となく本人が自賛していることですが、
文章は整然としており読んでいてストレスを感じません。
句読点の打ち方もリズム感があり、恰も気焔を吐くかのように
熱弁をふるう彼の声が聞こえてくるような不思議な臨場感があり、
留まることなくどんどんと読み進めることができます。
終止符後のパーレンで括ったツッコミもユーモアがあって面白く、
終始文中に含まれ続けている毒を技巧的に中和しています(笑)
臨場感…といえば以前読んだ坂口安吾の「堕落論」も、
まるで安吾自身の口から語られた演説を聞いているような特殊な
リズム感で構成された文章に大いに感動しましたが、
この「遺書」を書いた松本さんの文章にも
ある意味それに通ずるものを感じました。
バイオレンス的とも言える批判の連鎖で構成される
エッセイ集ですが、僕自身、
彼の言い分の約九割は当を得ている意見だな
成り上がり

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と感じたことも相俟ってか文面ほどの過激さは感じられず、
北野武さんの著書「間抜けの構造」同様、
コロキアル形式で書体にした時に強いのは、

芸人さん特有の強みであるように思います。
そんな印象も相俟ってか、嵩押しだとか居丈高であるというような
感覚は抱きませんでした。(人によりけりだと思いますが)

僕もそうですが、多くの人が今テレビ業界に抱いている印象、
延いては視聴者と各局の力関係や、
それらの影響を多分に受けて生み出されたコンテンツに対する印象は、
今から実に二十年前、既に松本さんの頭の中には
明確に存在し、そういった目には見えない障害とその時から戦い続け、
今も尚戦っておられるのだなと思うと改めて深い感銘を受ける次第です。
(これは前回書いた矢沢さんの関連本三冊を読んだ時も感じたことですが)



芸術家の作風は変わる。芸人の芸風もまた然り。



レギュラー番組で今も尚様々な発言をしては、その都度物議を醸しだしている方では
ありますが、僕が聞く限りに於いては彼の哲学はこの本を出版したころから
比較しても一貫しているように思えます。
しかし人間としては確実に変化していると言えるしょうか。
僕のような人間が言うと失礼かもしれませんが、様々な事柄を経験し、
人として成熟されたのだと思います。
それはこの本を書いた独身時代から、今はご結婚され、
お子さんもいらっしゃるという時点で同一視できないのは最早自明の理であり、そんな中にあって
僕たち視聴者側が、彼ら芸人さんに生涯にわたって一貫した芸風を要求し続けることは、
狭隘な事であるとすら言えるかもしれません。

「初年期、中年期は○○主義に傾倒し、
晩年期はそれまで否定していた○○主義的作風を見直し、自身の作風をシフトしていった」


こんな風に、自分の作風や芸風の変化の過程が専門書で紹介されている過去の偉大な芸術家たちと同様、
何かを生み出す人というのは一貫した哲学を持ちつつも、
決して同じ場所には留まり続けることが無いのだと思います。
(僕のような半端者には埒外にも理解し得ないことですが)

日本文学史に於いても、写実主義、擬古典主義、浪漫主義、自然主義など様々な作風がありますが、
それはあくまでトレンドみたいな話で、その気流の中で小説を発表する各々の作家は、
一概に「この人は写実主義の人」「この人は浪漫主義の人」などという風に杓子定規な区別が
できるものではなく、生き続ける限り時には苦悩したりすることもあったでしょうから、
そのような経験によって自分の持っている作風が各々移ろっていくのも
至極当たり前のことなのだと思います。

そういった考えを鑑み、芸術家でもなければ表現者でもない僕が、
一人の受け手として注意しなければならないのは、
そんな芸術家や表現者たち試行錯誤を重ねた変化の末にたどり着いた新たな作品というものを、
受け入れるだけの柔軟さや寛容さがあるか…ということなのかなぁと近頃よく思います。

なにやらエラソーなことを書いてしまいましたが、僕がこの本を読んで感じたことはそんなことでしょうか。


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posted by makomako972 at 19:17| 読書 | 更新情報をチェックする


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