2014年07月15日

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?  Philip K Dick

今の自分が何歳なら納得できるか?と自問してみました。

数分考えて導き出された答えは二十二歳。 これなら恐らく納得できるような気がします。
つまり二か月後には二十七歳を迎える今の僕は、理想の自分と五年の隔たりがあることになります。

この五年を埋めることに関心はあるのですが、隔たりは自体は年々広がっていく一方なので、
恐らく永久に埋めることができずに、きっと死ぬそのときまで理想の自分というものは妄想の中の世界だけで縦横無尽に活躍することとなるのでしょう。

ああ、どこで間違えた。我が人生(笑)

……すいません。記事と関係のないことをまた書きました。
今回は世界的名著、フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を読んだのでその事を書かせて頂きたいと思います。


アンドロイドは電気羊の夢を見るか


機械と人間をどのような手段を用いて区別するか。


読了後、本書のレビューや考察を書かれている様々なサイト様の内容を興味深く拝見させて頂いたところ、
やはりこの作品に於いて最も重要なテーマはこれであろうかと思います。

一般的に機械と人間の線引きを行う手段として用いられるのは生物学的、
道徳形而上学言論

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或は機械工学的側面からの区別です。
例えばそれは 「血管か、ケーブルか」 「筋肉か、アクチュエーターか」
「糖かバッテリーか」 といったような類の区別で、
唯物的主観であるとも言えるかもしれませんが、ディックの場合は、
登場しているアンドロイドに解剖が必要な骨髄検査を行わない限り
その存在が、人か機械かを定義することはできない…とする設定を施すことで、
上記のような区別の一切を無効化しています。

つまり外見から判断することはおろか、喜怒哀楽を人のように表現する力が
アンドロイドには備わっているわけです。
そんな世界で、脱走したアンドロイド八体を捜索する使命を帯びた
主人公リック・デッカードを通じてディックは、

「思い遣り、感情移入があるものは人間。
それが無いものはアンドロイド」


という精神面からの区別という提案を行っています。
これは前述の唯物的主観から対比して
唯心論的な発想であるかなという印象を抱くのと同時に、
イマヌエル・カントが 「道徳形而上学言論」で示した 「ア・プリオリ」
の哲学に近しいものを感じますでしょうか。 (飽くまで私的に…です)
さっと本書を見渡し、それらしい人と機械の区別を定義してみました。


機械的                           人間的

蜘蛛の足を切るプリス                それを嫌がるイジドア
身体を売るレイチェル                それに嫌悪感を抱くリック
マーサーの正体を暴露するバスターフレンドリー    それでもマーサーを信じる人々


しかし、ここで問題となってくるのが、「無慈悲な人間、無関心な人間もいるではないか」、
逆に「機械が感情移入を獲得したらどうなる?」という反駁でありますが、これに対する回答も単純明快で、

無慈悲な、無関心な人間は生物学的には人であろうとも人ではなく、
思い遣りや感情移入を獲得したアンドロイドは工学的には機械でも生命である。

ということでしょうか。

そのため必然的にこの認識を用いることによって、
現在の人間社会に於いても "機械人間" は存在することになります。
本書の解説に於いても示されていることですが、
この物語で描写されるアンドロイドというのは、
内面的に阻害された人間、閉鎖された空間に生きる機械のような人や、
夏への扉

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親切心を忘れた人間の戯画そのものであり、また象徴であるわけでして、
そういった意味に於いては現に今のこの世も、ディックが本作で描いた、
アンドロイドが犇めく一九九二年の架空世界となんら変わりがないわけです。
これが、最も重要な点であるかと私的には考えています。

倫理や道徳を純文学的な分野から提起せず、敢えてSFという視覚、
設定の比重が重くなるジャンルを用いて強烈かつ明瞭に
描ききっているという点に於いて、フィリップ・K・ディックという人物は、
まさしく巨腕の才を有するSF小説作家なのだなと感銘を受けました。
R.ハインラインの胸をすくような痛快な
清涼感も素晴らしいですが、この人もかなりヤバいです。

さて、本書の末尾にはディックの書いたとある短編作品の後書きが
収録されていますが、そこでディック自身が記した以下の一文は、
これ以上ないほど明瞭にこのテーマについて結論付けています。


「わたしにとってこの作品は、
人間とはなにかという疑問に対する初期の結論を述べたものである。
……あなたがどんな姿をしていようと、あなたがどこの星で生まれようと、
そんなことは関係ない。問題はあなたがどれほど親切であるかだ。
この親切という特質が、わたしにとってはわれわれを
岩や木切れや金属から区別しているものであり、
それはわれわれがどんな姿になろうとも、どこへ行こうとも、
どんなものになろうとも、永久に変わらない」





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posted by makomako972 at 18:58| 読書 | 更新情報をチェックする


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