2015年09月01日

Chris Botti in Boston  Import Blu-ray

クリス・ボッティを知ったのは、BSの某テレビ番組にゲスト出演されていたのを拝見したのが最初で、
そのときはジャズ寄りのアレンジでモリコーネの代表曲とも言えるシネマパラダイスを演奏なさっており、
それから注目していたのですが、今回紹介するこのChris Botti in Bostonもその流れでYOUTUBEで上げられたVTRを何度も観ており、
ゲストを含めた内容は全て知っていたのですが、何気なくAMAZONでそのパッケージを調べてみると
なんと96khz/24bitの7.1chというリファレンス級の音声収録ソフトだったので、
リージョンコードや価格を一切見ずに即買した次第です。

Chris Botti in Boston


初めて開放された96khz/24bit 7.1chの実力。


使用視聴環境は、JBL studio_monitor 7.1ch
Fr 4311A + Ce 4312B Mk2 + Sr Control 1 + SrB 4206 + LFE ONKYO SL-10

7.1ch

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僕が使用しているSA606XはPCM176khz / 7.1chまで最大で対応できる
仕様なのですが、日本の音楽系ソフトは一部のクラシック系のソフトを
除いて大凡が、ロスレス5.1chの48khz、もっとロークオリティなものでは
PCM2.0chの48khzという仕様なので、殆んどその能力を発揮することが
ありませんでしたが今回このソフトで初めて
96khz/24bitの7.1chの音を初めて聞くことが出来ました。
で、聴いてみた結果は言わずもがな。
今まで観てきた音楽系のBDの音と本作では、
DVDとBDの差くらいはあるでしょうか。
ひとつもふたつも次元が違うように思います。
僕が購入するBDは国外モノが多いので、国内のアーティストが如何なる
クオリティーで自分の作品を出しているのかはあまり存じませんが、
国内で発売すればヒットチャートに毎回躍り出る国内のBDのソフトとしては
僕が唯一今も何となく買い続けているライブBDに水樹奈々さんの
作品群がありますが、これらはDTS MA 5.1ch 48khz収録で、多少は頓着がある
収録内容で、毎度それなりに楽しんで聞いていましたが、
これは全てが全く別次元で比べようがありません。
他の国外ものは音声方式もマルチサラウンドで収録され、
ハイクオリティなものが多いですが、それでもかなりの差があるでしょうか。

毎回このブログでは再生する際にどのようなサラウンドフォーマットやマトリクスプログラムを使用したか…
とか、BASSとTREBLEアッテネータのレベル、或いはソフトごとの各チャンネルのレベル設定の
内容などを書かせて頂いていますが本作は、YAMAHAのYPAOやONKYOのオデッセイプログラムなどの
オートーメーションセッティングを行ったコンポーネントで制御されたスピーカー群であれば、
とりあえず普段生活していると聞けないレベルの音が簡単に鳴ります。
それぐらい恐ろしいクオリティです。


音が尋常でないなら、演奏もまた尋常ではない。



クリス・ボッティ1巨匠ヨーヨー・マとのデュエットで演奏される「ニュー・シネマ・パラダイス」は前述通り
ボッティの得意とする一曲で、ヨーヨー・マのダイナミックなボーイングで繰り広げられる
クラシカルアレンジな前半部と、ジャジーなテイストを用いてバックバンドと共に
ボッティが演奏する繊細な後半部とで異なった趣で演奏され、このテの音楽に特化した
実力を有するJBLのスタジオモニターシリーズの能力が惜しみなく発揮しています。
NY生まれの美女ルシア・ミカレリとの共演で織りなされる 「エマニュエル」 は、
今年2015年にジャカルタで開かれた 「Jakarta International Java Jazz Festival 2015」 でも
キャロライン・キャンベルとともにボッティが演奏した事でも記憶に新しいですが、
本作のルシア・ミカレリとの演奏は言葉に言い表す事ができない感動的なサウンドで、
2014年に公演された 「Chris Botti in Georgia」 でも「シネマパラダイス」と合わせて
甘美な演奏を見せていました。
そしてその原点ともいえる本作ボストン公演の 「エマニュエル」 は、 
「43シリーズのLE26ってこんな音鳴らすツィーターだったのか…」
と十年以上使っているアルニコユニットを配した自分のフロントSPに思うほど新鮮な音であり、
特に一、二弦の高い領域の音は、まるでハイハットを打ち鳴らしたかのような鋭利で
清涼感をもったサウンドであるにも関わらず、ディレイを含め、
各インストセクションのコンソールのレベル設定が絶妙なので、
聞いていてキーキー五月蠅いといったことは全くありません。
ルシア・ミカレリの高い演奏力も相俟って、まるで壮観な協奏曲を聴いているかのような
オーケストラセクションと絶妙な兼ね合いは本当に美しく、秀逸な演奏です。
そしてこちらも美女キャサリン・マクフィーは、そんなルシアとは趣をまた変えて、
ボッティのお洒落なMCの最中から誘うように流れだすオーケストラの軽やかで美しい
クリス・ボッティ2 「アイヴ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン」 のバック演奏から登場し、
いじらしいほどスタイリッシュでチャーミングに、ボッティの演奏とともに唄い上げます。
嫌なコードが一つとして出てこず、中盤のボッティの弾けるようなフィルインと
そこに持って行くまでのオケのダイナミックレンジを最大限に活かしたパッセージ、
バンドマンたちのアレンジ解釈も全て完璧です。
聞いているコチラはもうひたすら天国にでもいるような最高の気分で、
ただひたすらソファーに座って、超一流の芸術家の技をみることとなります。

更に本作で最も驚かされたのがジョン・メイヤーの甘いボーカルが印象的な
 「グラッド・トゥ・ビー・アンハッピー」 です。
曲頭のブレスポイントでの息遣いと、そこから歌い始めの第一音で、
「これは尋常じゃない音が来るぞ」 とわかるほど高いS/N感を発揮し、
いざ歌い始めてみると120インチのスクリーンが小さく感じられるほどの厚みと
スケールを持ったド迫力のサウンドがやってきます。
しかし、そのド迫力のサウンドも前述のルシア・ミカレリと同様、
稀有な才能と技巧によって、すっかり支配された職人技とも言える歌声なので、
聞いていて疲れることはなく、心地よく、緩やかに聴くことが出来ます。

その他にも稀有な技術をもったシンガーや演奏者たちが登場し、終始楽しませてくれます。
ライブパフォーマンスとしても、ソフトのサラウンドクオリティーにしても、
これほど一流の技が揃っているソフトは未だ嘗て殆んど遭遇したことがなく、
間違いなくマスターピースといえる一作だろうと思っています。
特にロスレスで7.1chを鳴らせるシステムを保有している人には、
全くの自信を持っておすすめできる一枚です。


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2015年07月10日

The Scarlet Pimpernel  宝塚歌劇団星組



benihakobe.JPG




宝塚の公演が好きでちょくちょく観ているということは、
るろうに剣心 星霜編 DVDレビュー記事シェイクスピア文学一括レビュー記事などでも書いたことですが、
今回はその中でも最も気に入っている一作の話でも書きたいと思います。


The Scarlet Pimpernel


因みにこのBD版は単品一万円以上と少々割高ですが、
品質を考えたら非常にお買い得な一品。


他国他劇団の公演



因みに大劇場だけでなく東京宝塚の公演
(同年10月5日公演)、更に世界中で
公演された作品を可能な限り視聴済みです。

アメリカ、ヨーロッパでの三公演、
その中でもオーストリア・バーデンの
演劇団の公演は全場を視聴。
(Darius Merstein Mac-Leod、
Maricel Wolk、Chris Murray、他)
現地の舞台構成は大劇場と同じ
オペラのレイアウトですが、規模が違います。
これは他国の公演全てに言えることですが、
劇場サイズ、出演者総数は、宝塚公演のほうが
総じて約三倍は大きい規模です。
僕はドイツ語が解らないアホアホなので、
脚本、演技は判別しかねますが
編曲や演者の歌唱力の点でも双方とも高品質です。

更に星組公演には 「ひとかけらの勇気」 
などの新譜が、収録されていることを鑑みれば、
世界でも通用する芸術と言えると思います。


バロネス・オルツィによる原作小説。



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ミステリーの要素を含む女流作家の
作であるという事も相俟ってか、
感嘆符や感嘆詞の用い方などに
アガサ・クリスティと近しい色を感じます。

公演との最大の相違は、
ショーヴランのマルグリットに
対する偏愛の情です。
原作のショーヴランは彼女を
任務遂行の道具としか考えておらず、
革命期に双方のイデオロギーに
起因したシンパシーによって刹那的な
恋慕の情が芽生えたとする設定は
潤色によるものですが、
これが短い時間でドラマ性を高める
非常に優れた効果を発揮しています。
原作では冷酷な公安委員でしかなかった彼の
人格に立体感と色彩豊かな人間味が付与され、
魅力ある人物像に仕立て上げられています。

同様の効果はプッチーニの古典オペラ、
「トスカ」 のスカルピア男爵にも見られます。

海外の公演では「Where's the Girl」 の
場面で、歌うショーヴランに一見籠絡されそうになる
マルグリットの振る舞いや仕草が見られるような
演出をとるものもあり、二人の関係は
物語の重要な力点であることが解ります。
何れにしても、のちに柚希さんが演じられる
「ハプスブルクの宝剣」「愛するには短すぎる」
「愛と青春の旅だち」 の各主人公たちのような
プリンスキャラとは異なり、ショーヴランは
独特の悪役なので演技も独特の
奥行きがあって素晴らしいです。

パーシーの人格は原作比でも高い再現度です。
中井美穂さん曰く、
「とうこさんのユーモアセンスが遺憾なく発揮された」
(ネスレ日本公式チャンネル 宝塚☆スタートークより)
と称されたグラパンは原作には登場しませんが、
原作終盤でユダヤ人に化けて公安委員を
欺く場面のエッセンスが内包されており、
そのキャラクタライズにはパーシーのユーモアや、
「大胆不敵さ」を表現することに寄与しており、
安蘭さんのサヨナラショーでも登場していることからも
分かる通り、重要な人格像の一つです。


大劇場の音響システム。



大劇場の音響は東京宝塚とほぼ同じで、
2011年にメインコンソールをStagetecのAurusに、
サブにMeyer SoundのD-Mitriを二機配し
豊富な出力能力と信頼性を確保しており、
この辺りのハイエンドセットアップには
劇団の強力な資本力が窺えます。
更に入力にはマイク25本、オケが約60本、
その他コーラス用、フット用、エフェクターに
エレベーター・マイクで計約130CHほどと
劇団のシステムとしては異様なチャンネル数。

宝塚大劇場のSPメインシステムは、
左右各13台の M’elodie サイドカラムアレイ、
さらに頭上のプロセニアムL/C/Rシステムとして
MICA×7台+M’elodie×3台で構成された
ラインアレイが設置され、低域には700-HP×10台、
6台はプロセに、2台ずつが各サイドアレイと
一緒に設置されており、その他様々な
システムがインストールされています。

更に大劇場とバウホールの総ての公演の模様を
収録できる能力を持つ専用スタジオ設備も劇場に
併設されており、ここは30名以上のプレーヤーを
収容できる日本屈指の規模を持つそうです。


ブルーレイ版の音響、画質。



TOCのソフトは音が恐ろしくベタ凪で、
収録音声方式はLPCM 2CH (48KHz 16bit)一択。
要因はマイクでなくライン入力を
マスターのベースにしているからだそうで、
高いS/N感を伴った音でもあります。

よって唯一のウィークポイントは
スケール感ということになり、そこを
D pro logicⅡ等のサラウンドマトリクスを
使用することで補います。
更にTREBLEアッテネータを強くし、
BASSレベルを少し盛り、音に迫力と勢いを加え、
高い臨場感を演出するのも有効です

上述の設定ではオケや演者の声などの

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周波数帯の音はサラウンドCHに僅かに音を
振る程度で、Sr B CHは殆んど使用しません。
95%以上はFrとCnの3chで担い、
残りの数%をサラウンドCHが受け持ちますが、
第一幕でパーシー (炎の中へ) の一場で
SEとして流れる雷の音などの迫力を重視して
演出家が仕込んだ音などは、
LFEを含めた8本のスピーカー全てが
かなりの勢いで唸ってくれます。
とはいえ音響設計の基本は穏やかなので
通常のソフトよりも音量は大きめにして
試聴することが望ましいように思われます。 
マルチサラウンドシアターシステムを
駆使して宝塚歌劇の魅力を最大限に
発揮するための音響としては、
この辺りがベストでしょうか。


・映像のクオリティ。


画質に関しては非の打ち所がないクオリティです。
フルHDのプロジェクターを用いているとはいえ120インチのスクリーンで
観ていても全く粗が無いので、解像度が高いということも当然言えるのでしょうが、
フレームレートが高く、俊敏な動きをする演者やそれによって動く豪奢な
衣装の端々にまで、妙なノイズが残ったりすることもなく、
急な横パンなどのカメラワークなどもLCDで観ている際特有のコマ落ちなどもありません。
とても二百分近くの映像が一枚の板に収録された
映像とは思えない低圧縮を感じさせる映像です。
なので演者の額に浮かぶ汗の雫もハッキリと確認することができます。
特にずっと出ずっぱなとうこさんの汗はすごい。
観ているこちらにまで彼女を照らす大劇場のピンスポの炎のような熱が伝わってきます。


音楽。




ワイルドホーンの音楽についても感じたことを書いてみたいと思います。
この際、本国のサントラ版を全曲繰り返し聴いてみたのですが、
この宝塚公演と違いが意外と多くあり、興味深かったです。
まず真っ先に感じたのは、日本語と他国語のヴァリエーションの違いです。
これは本公演に限ったことではなく、
大抵の海外産のミュージカルでも感じていたことですが、
台詞の情報量を時として数小節で説明しなければならない
ミュージカルの音楽は、主旋律に配置された一音に対して
割り当てられるワードの総数が多くなって
捲し立て気味に歌わなければならない局面がありますが、
そうなってくると一つの概念に多種多様の言葉がある日本語は
短くしなければならないセンテンスの音に割り当てる場合には短い表現の言葉を、
反対に長いセンテンスには長い表現の言葉を
自在に割り当てられるので融通が効く場合があり、
本公演での代表曲の一つ、ちえさんが一幕で歌われた
「君はどこに」の歌い出し一~四小節までなんかが
そういった言語の相違が顕著に現れており、
日本語の持つユーティリティの高さが発揮されているように思います。




(演奏してみた) 君はどこに  Where's the Girl ?





というわけで (どういうわけだ?) 劇中で柚希礼音さんが熱唱されていた
Where's the Girl ? (邦題:君はどこに) を演奏してみました。
ワイルドホーンの曲には独特のリズムがあり、
特にベース音が僕にとっては複雑で左手はかなり困惑しました。
動画内の説明欄でも書いていることですが、譜面を入手出来なかったので
耳コピで採譜し、録音後に転調させているので元の音とは違っています。
歌唱用アレンジ譜なので繰り返しが多く、暗譜自体は直ぐに済み、
録音も全体的に音が低い傾向の曲なので
いつもよりも録音レベルを大きくして
収録できたのでそこはありがたかったですが、
毎度のことながら曲の素晴らしさに反比例する酷い演奏です。



Mon Bijou  (collection of photographs)


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さて、ついでにヅカ関連、特に星スカピンのキャストに関連した
グッズとして持っているものの事もついでに書いてみたいと思います。
と言ってもこの場合は遠野さんだけですが…笑

白羽ゆりさんはこの写真集で共演 (?) されている遠野さんが
トップ娘役に就任するまで、湖月わたるさんとともに星組を率いていた
ジェンヌさんで、共に天才揃いの84期生です。かなみさんは可憐な娘役として、
あさこさんと共に月組のトップとして活躍されましたね。
この記事の冒頭で遠野さんについても書いたことですが、
僕はカチャが演じた月エリザも勿論大好きですが、かなみさんが
もう少し粘っていてくれれば彼女のエリザを見れたかと思うと
些かそんなお姿も気になるところではありますでしょうか。
白羽ゆりさんは後に雪でエリザを演じることが出来たので、
その点では満足していたりもするのですが。
その他、思いつく限りで三人に関連する演目としては、白羽さんと
遠野さんが共演なさった 「コパカバーナ」。 更に同じグウェンドレンを
遠野さんとかなみさんがそれぞれ花と月で演じた 「Ernest in Love」
などが思い起こされますでしょうか。 
探せばもっとあるんでしょうが僕の知る限りはこれくらい。
というわけでこの写真集はそんな美貌と歌ウマを兼ね備えたトップ娘役三人の、
和服、ドレス、スーツ姿など様々な
ヴァリエーションのお姿を拝見できる貴重なコンテンツです。




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赤と黒  星組公演


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タグ:宝塚歌劇
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2013年06月09日

プラダを着た悪魔 レビュー

巷でも非常に評価が高い「プラダを着た悪魔。」
僕自身は数年前にBDを購入した本作のファンで、今回の金曜ロードショーも見逃すまいと留意していたのですが、
案の定すっかり忘れてしまい、なんとも悔しい思いをしたのでBD盤を見直す事にしました。

P6097955[1].jpg

さて、私的に主演のアン・ハサウェイは、Alice in Wonderlandで白の女王を演じておられるのを拝見したのが最後で、
その時は独特の両腕の動きばかり気になってしまい「相変わらず美しい人だな」という印象が兎に角強く残っていましたが、
本作でゴールデングローブ賞 主演女優賞を受賞したメリル・ストリープは
逆にマディソン郡の橋のフランチェスカの印象が強く、本作では全く異なる役を実力、魅力共に非常に高い次元で演じています。

初見の際は
脚本、舞台設定、そして登場する女優、特にランウェイの女性スタッフ達の振る舞いに、何となく既視感めいたものを感じ、
これは一体何だったろうと、思い当たる節を色々と検めていると、結局Like A Virgin時代のマドンナのイメージに行き着き、
「ああ、作中の徹底したマテリアリズムと女性達のセックスシンボルは彼女を見たときの印象が残っていたんだな」と自己分析をしたりしていました。

マテリアリズムという意味で言うなら、作中、女優陣が移動する時の車といえばMBのS550やTown Car signatureで、
服や靴などはエルメスやシャネル、D&Gなどの超有名ブランド。
デスクに眼を遣るとPoul Henningsenのテーブルスタンドや、ビハインドシーンでアンディが面接官と
希望する担当を話し合っているシーンで女性面接官の座っている椅子は、かの有名なHerman Millerのアーロンチェアですね。
エンパイアステートビルやクライスラービルなど、1930年代の建築を代表する美しいビル群や、
派手な電飾に彩られた摩天楼に象徴されるニューヨークの町並み。
芸術的な華やかさを持つラウンドアバウトを空撮した幻想的なカットなど、これまた本作の世界観に合致する煌びやかな世界観を見事に演出しています。

その中でも特に素晴らしいのはアン演じるアンディの衣装の数々。
物語序盤で着ているブルーのセーターと、エイミーの言うところの「ダサいスカート」姿もそもそもアン自身が途轍もない美人なので、
私的にはなんとなーく素朴に見えるだけで、その姿はローマの休日で腕まくりしたYシャツ+ロングスカート姿でベスパを飛ばしているオードリーと等質の魅力があり、
これはこれで計算されているような気がして私的にはOK(何が?)なのですが、
BD盤C13で美容部から自分のワークルームに戻ってきたときのアンディの姿は本当にモダンで格好良く、
エイミー達が黙り込んでしまうのも当然の反応と言えますが、
その後のアンディが出勤するシーンではカメラと彼女の間をクルマが横切るたびに七変化のように衣装が変化していくシーンがあり、
これも実にアーティスティックで気に入っています。

終盤に掛けては、アンディが画面に登場するとき、足下からカメラがパンアップして身体全体を見せていくような動きが多いのも
こういった題材の映画の魅力を最大限に生かした秀逸なカメラワークだと思いますね。


因みに監督のデヴィッド・フランケルはBD盤のオーディオコメンタリーでこの頃のアンはオードリーに似ているとも語っており、
「アン」がアンディではなく、「アン女王」に見えてしまうのも無理はないことでしょうか。
私的にはペリカン文書の頃のジュリア・ロバーツに似ている様な気もしますが、三人とも絶世の美女ですので、
似たり寄ったりなのかな、、とも思いつつも、LEONのレビューで少し触れた「世界の最も美しい顔」と世界中から支持されるナタリーポートマンは、
エルサレム出身のためか前述三人とは異なりエキゾチックな魅力溢れる女性ですので、結局のところ色々あるようです。

さてそれはともかく
少しシーンが戻ってC9でミランダがスタッフと二本のベルトを真剣に比較している場面、
アンディが思わず失笑してしまうこのシーンは、お互いの生き様の違いが顕著に表れる印象深いシーンですが
その後、ミランダが逆にアンディの着ているセーターを批評する一連の台詞は、
ファッション、アパレルの価値観がフィーリングやエモーショナルな構成要素で
多くの優劣が決するセンシティブな業界だ、、という印象を持っていた矮小な自分にはチョットした衝撃で
デザインや、それらの有り体を吟味し販売する業界市場、そしてそれらすべてを源泉とするロジックで説明されるのは新しい驚きでした。

ミランダといえば何と言ってもラストで町中を颯爽と歩くアンディを横目に満足げな笑みを浮かべる表情が印象深いですが、
私的にはBD盤に特典映像としてに収録されているNGシーン集で、
アンディのデスクにコートとバックを投げるのを失敗するNGテイクでのメリルの反応がとってもキュートで気に入っています(笑)


何れにしても、日々スタンダードが目まぐるしく変化するアパレル業を題材にしている本作が、
公開されてから7年以上経過しているにも関わらず、全く古さを感じさせないのは私的に驚嘆に値することだと思います。
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2012年09月19日

久石譲 in 武道館 宮崎アニメと共に歩んだ25年間

テレビ放送されていた時期からHDDレコーダーに録って二十回は通しで観ておりましたが、
1080iではない映像画質や、ステレオ音声収録などに多少満足が足りない部分もあり、
BDで発売されたら速攻で買うのに…と考えていたら実際に発売されたので速攻で購入したソフトです。

風の谷のナウシカからポニョまで一通りの主要曲がセットリストに入っており、性別を問わずどの世代の人でも楽しめる内容となっています。

久石譲 in 武道館



高いS/N感。



我が家のオーディオシステムの事情で言えば、
サラウンドアンプを定価八万円のONKYO SA-606Xという
エントリーモデルでドライブしており、
このアンプは内蔵CPUの処理速度がそう高くないので
入り口がD True HDやDts MAであろうが、
基本的にはクアッドコアのCPUをもつプレーヤーに
PCMへの信号変換させてアンプに送っています。
なので品質はアンプへのビットストリームよりも
相当高品質なはずなのですが、今作のL-PCM5.1chの音は、
今まで見てきたそれらロスレスフォーマットの
音よりも更に高品質な音でした。
今まで僕が観てきた百枚程度のBDソフトの中でも最もその秀逸な
サウンド、サラウンド品質で驚愕したクリス・ボッティのボストン公演
 「Chris Botti in Boston」のD True HDの
7.1chに比べると些か品質は劣りますが、
音の解像度が極めて高く、リファレンスディスクとしても
使用することの出来る一作です。

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次章で書くことですが、規模千人を超す極めて大きなオーケストラ編成から
ソリストの演奏によるヴァイオリン協奏曲編成の「海の見える街」、
更にジャズ・バンド構成の 「帰らざる日々」 など、
多彩なジャンルで繰り広げられる公演ですが
総じて上品な音の仕上がりで、透明感があり、
これだけ大人数であるにも関わらず各楽器のセクションの音が混同ぜずに、
絶妙なハーモニーで奏でられており、
かなり細かい部分まで聞き分けられるレベルに達しています。
特にSD時代のDD5.1CHやDTS esなどの非可逆圧縮では、
オーケストラのヴァイオリンに関しても画面上の弓の返りを見て、
今ハモったのはここか…なんて判断したりもしましたが、
この世代のソフトは音で誰でも解るほど鮮明になってます。

因みにHDサラウンド環境が無いオーナーのために
サードトラックにはDD DIGITALの5.1chで収録されているため
一昔前のアンプでホームシアターを組んでいる人も
マルチサラウンドで本作を楽しむことが出来るようになっています。


マーラーの交響曲八番



久石氏は今回の音楽監督として、
非常に大規模なオーケストレーションを意識した旨をメイキングで語っておられ、
具体的な有史上の例としてグスタフ・マーラーの交響曲八番を挙げておられます。
八番といえば最小構成でも850名の演奏者、声楽者を要し、
「ミュンヘン博覧会1910」(Ausstellung München 1910)の初演でも
1030名で演奏されたまさしく稀代の大曲です。
今回の久石氏のこの公演は声楽隊を含めた全ての演奏者は
1200名以上だそうなので、規模で上回っていて、
鬼気迫る迫力が感じられます。
僕が見たことのある全てのマーラーの八番公演との唯一の違いは、
コンサートホールのサイズなども相まって
女性、男性コーラス隊が縦並びに構成されていたのに対し、
今作ではコーラス隊が両翼に分かれて展開されており、
音響的にも聞こえ方が大きく違ったことでしょうか
そんな本公演のBDが発売にするに当たって幸運だったのは
収録がリニアPCM5.1chという非圧縮のサンプリング方式の
マルチサラウンド収録されているということです。
ここいらは流石NHKのスタッフですね。
現在僕が所有しているBDソフトは、
その大半はD True HD、或いはDts MA5.1chなので
それらの作品と比較しても全く別次元のS/N感を生み出す音質で、
公演自体の品質を劣化させない上質なサラウンド設計になっています。

※写真右 1916年、米国初演 フィラデルフィア管弦楽団(演奏者1068人)


重厚な歌詞の世界。



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更にマーラーの8番は歌詞が
創造主である神への崇拝と賛美で構成されており、
その内容も旧約聖書の詩篇のようなテイストを思わせ
(詩篇は神への賛美の詩であるので当然ですが 笑)
そういった事情も相俟ってかバロック期以前の賛美歌に見られるような
重厚感を伴った神々しさを、その大規模な
声楽の音も相まって私的には感じるのですが、
今作の最後に収録された 「もののけ姫」 の一曲 「アシタカとサン」 も、
神への賛美歌ではないものの、
「風の谷のナウシカ」 のレビューでも書かせて頂いた
宮崎監督の自然に対する畏怖と敬愛が感じられるバイオロジカルな歌詞であり、
その点が符合していて一種の神聖さを生み出す一助となっています。






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2012年08月09日

FF VII ADVENT CHILDREN (BD)

長い人生において、その都度その都度こういった映像コンテンツをはじめとする様々な作品に我々は日々出会うわけですが…
単純にそんな人生の中に名作と言われる作品が多く含まれていることは非常に幸せなことだと思うわけです。

そういった意味で言うとこのFF7 ACは私的にマスターピースであることは疑いようのない珠玉の作品で、
見るたびに深い感動が湧き上がる一品。

ADVENT CHILDREN



新時代のマルチサラウンド。



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容量やビットレートが隘路となってDolby Digital、DTSなどの非可逆圧縮しか
選べなかったDVD時代を経て、可逆圧縮のマルチサラウンドを
7.1ch以上で収録できるBDに移ろい、マルチサラウンドは様々な変化が起こりました。
僕がSA606Xで初めてロスレスのマルチサラウンド聴いたときには
その異常なまでのS/N感の高さに度肝を抜きましたが
それと同時に感じたのが各チャンネルの完全なる独立性でした。

今までの5.1chの音の振り分け方はフロント8、乃至9なのに対し
リアは精々1か2程度。  大抵のソフトがあくまでリアはオマケだ…
というポリシーで立体音響の設定が行われていて
イマイチスピーカーを6本も置いている恩恵にあずかれないでいました。
しかし、BD時代になってからはサラウンドCH、サラウンドバックCHにも
独立した音声が振り分けられるケースが多くなってきたように感じられます。
そしてこのソフトにもそういったダイナミックで思い切った振り分けがなされており、
物語冒頭、Red XIIIが荒廃した森羅本社を目下に雄々しく咆哮するシーンでも
群れを成して飛翔する鳥の羽ばたく音がリアサイドのチャンネルから流れてきて
少しだけ「おおっ!」ってなります。
その他、カダージュがジェノバと融合しセフィロスが覚醒するシーンでも、
彼の「久しぶりだな。クラウド…」の台詞も全チャンネルから聴こえてゾクゾクします。
全体を通して高域のSEが多く、また鋭くシャープな音が多いので、
手持ちのJBLの7.1chシアターシステムには性質的に合っているのも、
このソフトのサウンドを気に入っている一因となっています。


懐かしくも新しい。FF7の名を冠するに相応しい大作



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今思えば、FF7の発売日は異常な状況だったと思います。
当時僕は小学生でしたが、あの日は日本中の人がスクウェアという
ゲームソフト会社から発売されるこのソフトを
購入しようとしているのではないのか?
と飛躍した錯覚を起こしてしまうほどの人気ぶりでした。
今は娯楽が多様化しているので、全国のゲームショップの店頭に
人だかりが出来たり、予約しようと手を尽くしても、
初回ロットが手に入らないということはありませんが。
次作のFF8時代では、今となっては有名なアルティマニアが
初めて発売されたタイトルで、この攻略本も異常な売れ行きで
中々手に入れられなかった思い出があります。
いずれにしても当時の据え置きゲーム機のビッグタイトルは、
現在では想像できないほどの影響力を持っていました。
そんなメガタイトルの中でもFF7というと、
その最上位に位置する大作であります。

僕自身はリアルタイムで一回、後に同社から発売された
「チョコボの不思議なダンジョン」に付属していた最強データを
使用して二、三周はプレイしたので相当思い入れがあります。

今回のACでは劇中BGMも当時FFシリーズのミュージックコンポーザーであった植松さんが
担当しており、当時のFF7への製作スタッフの尊敬の念が感じられます。
キャラクターデザインも当時のグラフィックから比較にならないほど進化しているにも拘らず、
誰一人としてその面影を失っておらず、劇的に美しくなった映像にも親しみ易く、
冒頭から特別な違和感を感じないように巧みに作りこまれています。


同作小説について。



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同作の公開に合わせて、PSPでFF7クラシスコアや、
ダージュオブケルベロスが発売されたりと
かなりの広範囲に渡ってメディア展開されていますが、
この小説もその一つとして2009年に出版されました。
内容はFF7からFF7ACまでの空白期間に於ける各々のキャラクター個人に
フォーカスした内容で、キャラ別に六章構成で描かれています。

全体を通して感じたことは、各キャラクターの自責と慙愧の念の深さでしょうか。
例えばティファ編での彼女は、アバランチの一員として
過去レジスタンス時代に自身が行った活動を
深く悔いている様子が描かれていますが、自身が崇高とも思える目的の前には、
立ちはだかる者の命を奪う事や、
罪のない犠牲すら澎湃とした自己陶酔の前に美化され、
ただただ無自覚であった自分の愚かさと、
それを償う事の出来ない自分の無力さが描かれていますが
他のキャラクターも同様に過去の何らかの闇にフォーカスされています。

FF7ACを楽しむ上では重要な位置を占めるアイテムと言っても過言ではないでしょうか。




本編について。



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BD版が発売されて相当経つ今現在においても全く古さを感じさせない
圧倒的な映像の美しさ、キャラクターに見事にマッチしたキャスト陣、
植松氏の色褪せない見事な楽曲の数々、そして数多くいるであろう
前作の熱狂的なファンに有無を言わさなかった見事なシナリオの完成度。
全てが高次元で完成されており、視聴後はなかなかの味わえない
満足感や幸福感があったものです。
というのもこの作品より数年前、当時のスクウェアが
「ファイナルファンタジー」というフルCGのどえらい映画を公開して、
それはそれはどえらい火の車状態に陥っていた過去があるので、
その警戒感とギャップで…というのも応分にあると思いますが、
何だかんだで差し引いても名作です。

映像はフルCGで構成されていますが、
このコンプリート版は更に映像に磨きがかかったBDで、
登場キャラが着ているレザーモノなんかはその模様までクッキリと確認でき、
まるで実写に迫ろうかという勢いです。
戦闘シーンに関してはビュンビュンとキャラクターが跳ねたり飛んだりモーション、
とりわけパンが大きいですが、大昔の液晶テレビでみているような見づらさもなく、
しっかりピントがフォーカスされている印象があります。

唯一バーチャルチックな部分があるとすればキャラのイケメン度&美人度…くらいですかね(笑)
特にラストのルーファスのイケメンぶりには超ビックリしました(笑)

肝心のストーリーですが、本編終了後から数年後の話で、
再びクラウドの周りをはじめとする各地が様々な脅威にさらされるという内容ですが、
とってつけたストーリーという違和感もなく、アフターエピソードとして十分な完成度がありますし、
当時のゲームを遊んだ人には嬉しい小ネタが随所にあったりと細部までスタッフのコダワリが感じられます。
(ユフィがあいかわらず乗り物酔いしやすかったり、クラウドのリミット技だったり。)

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タグ:ゲーム
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