2018年03月20日

エリザベス一世  青木道彦

昨年観劇したミュージカル「レディ・ベス」以降、
僕の中でこの人の存在は相当大きくなっていました。
なのでこの際、専門書を読んで理解を深めることに。





宗教改革



プロ倫

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
女王の施した宗教転換は
以前ウェーバーの「プロ倫」で
書かせて頂いたルターの
「天職」の概念や「カルヴァン予定説」
等の資本主義の源泉となる
エートスを萌芽させ、後の
産業革命の基盤を形成しています。

また新旧両教の極端な取り決めを撤廃し
中道主義にリビルドするアイデアも
前女王のメアリーの排他主義とは異なる
多様性を意識した瞠目すべき改革です。



アルマダの海戦



「無敵艦隊」といえど旧態依然とした
設備を用い、戦術も国王フェリペ二世
が徹底的にガイドラインを惹くなどして
統率したのに対し、

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
少戦力ながらも司令長官に任命した
海賊ドレイクに戦略を一任し
実利戦略で勝利を収めた…
というこの事実を思い起こすとき
同時に僕の脳裏に蘇るのは
バルチック艦隊を滅ぼした
秋山真之の戦略です。


↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
以前紹介した「失敗の本質」
でも書きましたが海上戦は
他の戦上と異なり、
戦略や司令官、延いては
国家元首の判断により、
容易に戦況が変化する点が
興味深く、陸上に於いても
戦々恐々とする兵を鼓舞するため
前線に現れ演説したという
女王のエピソードは、正しく彼女の
高いカリスマ性を裏付ける証左です。





イギリス・ルネサンス演劇




経済政策に於いては晩年期に
独占特許状を乱発するほどの
財政赤字を出すなどしたものの、
改鋳政策で為替を
制御しインフレを解消。
代わりに弱体化した輸出産業は
世界各国から招聘した技術者に
知恵を学び新産業を育成し補うなど
高い政治手腕が垣間見れます。


↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
その豊かな国力の元で開花した
芸術文化が、やがてシェイクスピアを
筆頭とする稀代の芸術家を育てた…
という点に於いても
彼女の文化体系に対する
貢献は大きいと言えるでしょう



その他要人。




↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
エリザベスの父、ヘンリー8世に
仕えた大法官には
著書「ユートピア」で知られる
トマスモアがおり、
当のエリザベスの国璽尚書を
務めたニコラス・ベーコンは、
「知識は力なり」で知られる
フランシスベーコンの父であり、
後にフランシスは「リヴァイアサン」
の著書で知られるトマス・ホッブズを
秘書として使ってたそうです。

う~ん。凄まじい横並び(笑)



DSC05355[2A].JPG
「Lady Bess」
観劇!
DSC05355[2A].JPG
プロ倫
M・ウェーバー
DSC05355[2A].JPG
ロミジュリ
シェイクスピア
DSC05355[2A].JPG
ユートピア
トマスモア




posted by makomako972 at 13:28| 読書 | 更新情報をチェックする

2017年08月08日

はつ恋  ツルゲーネフ


待ち合わせ場所に停車した車内で人を待っているときのささやかな楽しみ。

①ナビでトキメキポイントを入力 ※僕の場合は主に宝塚大劇場
②ルートを指定。案内を開始。
③アナウンス「100m先を右折…」


わー、僕これから大劇場行くんだー♪

というマッチ売りの少女的な妄想あそび。



……

はぁ…なんか悲しくなってきたわ。


ま、そんな話はともかく。。
今回はツルゲーネフ作品の話でも書いてみます。



バイクガレージ2




ジナイーダの人格。



クリップライト

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
西洋文学でありながら彼女の
人格は一見してカルメンの
ような確固としたものより、
寧ろティファニーのホリーや
ギャツビーのデイジーのような
米文学に登場する
自由奔放なヒロイン像が浮かびます。


クリップライト

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
しかしそこは重厚な
歴史を持つロシア文学。
厚化粧や肩にかかる派手なファー、
或は艶やかなネオンサインの
ような即物精神ではなく、
伝統的なバロック様式の
中で培われる貴族社会の
少女像が見えてきます。


クリップライト

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
貴族としての自尊心によって
醸成された空想概念への
刹那的な憧憬は「赤と黒」の
マチルドに近い人格像かも…
というようなことも感じました。



父親の影。



父とジナイーダの情事を明確にせず、お互いの関係を
100%描かないことで2人の関係を複雑かつ深遠に
見せることに成功しているのは興味深い点です。


クリップライト

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
更にその2人を口無しの死者と
することで主人公の初恋の物語は
完全な形でパッケージ化されてます。
この構造はサガンの処女作
「悲しみよこんにちは」における
アンヌの事故死におけるセシルの
心理構造に酷似しています。

いずれにせよ
主人公の体験したこの初恋の告白は
奇妙でありながらも甘美な世界観の
発露であり、それを聞く読者各々は
そこから自らの初恋の経験を照らし合わせ、
不思議なシンパシーを萌芽させていきます。
posted by makomako972 at 21:41| 読書 | 更新情報をチェックする

2017年07月20日

非常識な本質  水野和敏


普段から古典文学作品ばかり読んでいる人間なので
このテの本は何だか久々。

カープロダクトに携わる方の著作としては奥山清行さんの
「フェラーリと鉄瓶」以来ですが、
素晴らしい著作でとても勉強になりました。


Madone4.5



本質を見極めたひとの面白さ。



スーパーカーづくりの本質論も興味深いのですが、
私的に最も感銘を受けたのが、
レースマネジメントの側面から見たエンジニアリングです。


サーキット全体の数%しかない
全開セクションの為に
最高出力至上主義のPU設計をしても
最大パフォーマンスを
発揮できないとする
理論は単純明快でありながら
韜晦された本質を捉えた
瞠目すべき洞察です。

MP4/31

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
全く同様というわけでは
ないでしょうが、
現在のマクラーレンホンダの
苦戦にもこういった方法論の
応用が有効なのかどうか…
などを考察すると楽しくなりますね。



実際にGT-Rを運転した感覚と。



日産GT-R

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
実際に京都で僕がGT-Rを
ドライブした時に感じたのは
異常なまでの剛性の高さ。
そしてスタビリティが
四輪に均等に付与されている
という特別な感覚でした。


日産GT-R

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
例えば高速域になって
ダウンフォースが
効いたとかではなく
低速域からのフル加速でも
その効果は顕著に表れ、当時は
A-ETSやベクタリング統御などの
ソフトウェアの恩恵かと
推測していたのですが、
日産GT-R

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
PMパッケージの4WDという
重量マネジメントが
メカニカルD/Fとして
機能していたのかと今更ながら納得。
ペラシャフトを往復させてでも
採用する価値のある
レイアウトですね。



運命論が助力する自己実現。



2章79頁で同氏が祖母の部屋で見つけた格言、

「悪いこと、天知る、地が知る、人が知る」

日産GT-R

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
が後に自らのビジネス観に
影響したとする認識は、
ウェーバーがプロ倫で示した
資本主義の誕生に多大な影響を
及ぼした…とするピュータリズムの
経済倫理と似ていて興味深いです。


日産GT-R

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
お天道様がいつもみていると
素直に思い、行動した…
という思想原理も
プロテスタンティズムの
「運命論」に似ています。

人知を超えた概念が時として
「天職」という自己犠牲に
多大な影響を与えるとする

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
認識は京セラの創業者である
稲盛和夫氏の著作や、
松下幸之助氏のベストセラー
「道をひらく」などにも
見られるもので、数々の偉人たちの
モチベーションに多大な
影響を与えている傾向が窺えます。


水野氏が提示する、人材像。



こちらは単純明快で、
主に以下の3点に集約できるように思います。

①顧客意識。
①ゼネラリズム。
②アンチアカデミズム。


の3点。

プロ倫

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
①は有名な著作、ドラッカーの
「マネジメント」でも
示されている通りですね

②組織は規模は巨大化するほど
統御が困難になる…
という弊害を抑制するため、
一人ひとりの技術的、
知識的なキャパを広げ、
効率化を促すとともに
発想の柔軟性を養う。というものです。


MP4/31

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
③その柔軟な発想の弊害と
なるものの一つとして
アカデミズムを提示しているのも
興味深い点です。
文学に於いてもサリンジャーが
「グラースサーガ」において、
文学はアカデミズムで
形式化されたときに
無価値なものになる…とする洞察に
符合する部分を感じます。


MP4/31

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
更に水野氏が批判する
マニュアル至上主義、
前例至上主義は、
第二次世界大戦の陸海空軍の
ストラデジーを解析した
有名な著作、「失敗の本質」に
おいても日本人の
本質的体系として痛烈なまでに
指摘されていますが、
この著作を拝見する限り、
残念ながら社会ではこの
思想的構造は今も少なからず
継承されているようです。

posted by makomako972 at 09:30| 読書 | 更新情報をチェックする

2017年07月07日

白夜 ドストエフスキー


さて、今回はドストエフスキーの短編の話でも書きたいと思います。


DSC07430A[1].jpg



ナースチェンカ「私って悪い女かしら?」



これを読んで感じたことは

「僕は物事を主観的にしか見れてない」

ということです。

それは瞬間的にナースチェンカの振る舞いを
軽薄と感じたからに他ならないのですが、訳者解説の

少女は(中略)だしぬけに現れた以前の恋人とともに、
白夜の街角に消えてしまう。
その空想が現実と触れ合ったとき、ある者はそこに幻滅の悲哀を感じ、
ある者はこの上もない喜びを感ずる。


を読んでようやく気が付くわけです。

なるほど。彼女にはなに一つの不道徳もないですよね。

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
こういう描写の仕方は
メリメの「カルメン」にも見られ、
束縛に幸福を見いだすホセと
自由に幸福を見いだすカルメンの
2人の愛を論じるとき、カルメンが
利己主義的だと切って捨てることが
決してできないのと似ています。



本作の主人公について。




↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
主人公の精神構造は癖があって
ドストエフスキーらしいですが、
何だか読んでいてゲーテの
ウェルテルを思い起こしました。
あの盲目感、あの熱狂ぶり、
そしてあの無限の妄想っぷり。

だとすると主人公は最後の手紙で
ナースチェンカが
評したように、黙って引き下がり
悲しみに耽るしかないでしょうか。

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
嫉妬心に駆られてマルゴーを
苛めまくった「椿姫」のアルマン
や、「マノンレスコー」の
シュバリエみたいな
キャラだったらまた話は
変わるのかもしれませんが、
どう考えても、本作の主人公は
穏健派ですから。


posted by makomako972 at 06:49| 読書 | 更新情報をチェックする

2017年06月23日

ある微笑 F・サガン

サガンのファンまっしぐら。

出版順位としては前回紹介した「ブラームスはお好き」より前、
彼女にとって2作目となる作品です。


DSC07430A[1].jpg




この才能は決して偶然ではない。



「私は世界中の人が機関銃を持って待ち構えているのを知っている」

と著者自らが言い表した
本作ですが、サガンはその重圧を
前作を遥かに超える自らの才能で
痛快なまでに跳ね除けています。

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
彼女の最大の魅力である
文章精度の高さは継承されつつも、
よりロマンチックに、よりリアルに
人物の描写がなされています。

そしてなによりこれこそが
僕の思うフランス文学の
本質的体型だとも思います。

恋こそ全て。恋に生き。死ぬまで恋。

みたいな。



不倫を題材にした仏文学のいろいろ。




↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
「ブラームス」では年齢差が、
本能の恋に溺れる二人に
終止符を打ちましたが
本作では規範としての道徳、貞節が
障壁として用意されます。
でもそれはフローベールの
ボヴァリズムや、宗教的規範を
軸として不倫劇を演出した

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
「赤と黒」のレナール夫人とも異なり、
本作ではドミニックの
不完全ながらも瑞々しい
少女の心理を使役して純度の高い
ラブストーリーとしての
心理描写を全面に出しています。



ドミニックのイノセンス。




↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
ドミニックのペシミズムや
シニック、あるいは随所で
見られる厭世主義的思想は
大人…というより自らを
大人の枠に入れようとする
少女自身の恣意的な机上の
知性として独特のイノセンスを
生み出しています。

↓ Full-Resolution ↓

Photography by makomako972
↓ Return to top page ↓
http://makomako972.seesaa.net/

- CLICK TO ENLARGE -
このような効果は、
J.Dサリンジャーのフラニーにも
色濃く観られる心理現象で、
有名なアンネ・フランクの
日記にも同様の効果が伺えます。

リュック・ベッソン監督の「レオン」
でナタリー・ポートマンが途轍もなく
可愛く見えるのもこれです。恐らく(笑)


いずれにせよポールの慈悲によって別れを
味わったシモンが大人の男性として生きていくように、
リュックに愛されることのなかったドミニックも、
モーツァルトのアンダンテの中で
恋多きを知る魅力的な
パリジェンヌへと昇華していくのでしょう。

フランソワーズの側からすればたまったもんじゃないですけどね。


posted by makomako972 at 05:57| 読書 | 更新情報をチェックする


other con[1].jpg



DSC05355[2A].JPG
財布とカード類の選定
DSC05355[2A].JPG
オススメの
CDやBDの紹介
DSC05355[2A].JPG
100冊読書の記録。
DSC05355[2A].JPG
自転車専用
ガレージ制作


DSC05355[2A].JPG
法務大臣からの感謝状
DSC05355[2A].JPG
外出録の
まとめ
DSC05355[2A].JPG
YAMAHA
U3A
DSC05355[2A].JPG
デスクの小物たち。





latest article[1].jpg


最近の記事